Zip® ドライブ

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1. Zip ドライブの基礎

Zip® ディスクは、アイオメガ社から発売されている ZIP ディスクドライブで読み書き可能な大容量のリムーバブル磁気ディスクです。 ZIP ディスクはフロッピーディスクと似ていますが、 ZIP ディスクの方が非常に高速で比較にならないほど大容量です。 というのはフロッピーディスクの容量が大抵 1.44M バイトであるのに対し、ZIP ディスクの容量は、100M バイトか 250M バイトの二種類あります。 120M バイトの容量を持ち、 従来の 1.44M バイトのディスクも使用できる SuperDisk というフロッピーがありますが、ZIP ディスクとは混同しないでください。

アイオメガ社は、Jaz®/JAZZ ドライブというさらに大容量で優れた性能を持ったディスクドライブも発売しています。 JAZZ ドライブの容量は 1G バイトか 2G バイトの二種類です。

ZIP ドライブには、以下の 3 種類のインタフェースが用意されており、 内蔵も外付けも可能です。

  1. SCSI (Small Computer Standard Interface) は最も高速・精巧で拡張性も高く、 そして最も高価なインタフェースです。 SCSI インタフェースは、 ディスクドライブ、テープドライブ、 スキャナーなどといったすべてのタイプの周辺機器と接続するために、 PC から RISC ワークステーション、 ミニコンに至るまで、ほとんどのコンピュータで使用されてきました。 SCSI 対応 ZIP ドライブは、 内蔵も (もし SCSI ホストアダプタに外付けコネクタがあれば) 外付けも可能です。

    Note: SCSI で接続された外付けの装置を使用する際、 動作中に SCSI バスからケーブルを抜き差ししないでください。 さもないと、挿入されていたディスクのファイルシステムを損傷 する恐れがあります。

    最高のパフォーマンスとセットアップの手軽さを望むなら、 SCSI はベストチョイスです。 一部のハイエンドサーバを除き、多くの PC はビルトインの SCSI をサポートしていないため、 SCSI ホストアダプタを追加で購入する必要があります。 種類にもよりますが、SCSI ホストアダプタは 7 台か 15 台の SCSI デバイスを接続することができます。

    それぞれの SCSI デバイスはそれ自身のコントローラを持っており、 そしてそれらは非常に賢く、よく標準化されているので (SCSI の 2 番目の "S" は "標準" を表します)、 OS は SCSI のディスクドライブをすべて同じように扱うことができ、 またそれは SCSI のテープドライブなども同様です。 SCSI デバイスを使用するためには、ホストアダプタ用のドライバと SCSI ディスクドライブ用ドライバ、 SCSI テープドライブ用ドライバといった装置に対応する標準のドライバを用意するだけで良いのです。 さらに機種に特化したドライバ (たとえば DAT ドライブなど) も存在しますが、 大抵標準のドライバを使用しても動作します。 そういった特別なドライバは、 機種特有の機能を利用するために書かれたものです。

    ZIP ドライブを使用するためには、 単に /dev の中から ZIP ドライブのデバイスファイルを見つけるだけで良いのです。 ZIP ドライブのデバイスファイルは起動時に表示されるブートメッセージか、 /var/log/messages の中から

    da1: <IOMEGA ZIP 100 D.13> Removable Direct Access 
    SCSI-2 Device
    

    というメッセージを見つけることで特定できます。 上の例の場合、 ZIP ドライブのデバイスファイルは /dev/da1 であるということを表しています。

  2. IDE (Integrated Drive Electronics) インタフェースは、 多くのデスクトップ PC で使用されている低価格なインタフェースです。 ほとんどの IDE デバイスは必ず内蔵になっています。

    IDE 接続の ZIP ドライブの性能は SCSI 接続の ZIP ドライブに匹敵します。 (IDE インタフェースは SCSI より高速ではないのですが、 ZIP ドライブの性能は、接続されているバスインタフェースよりも むしろ ZIP ドライブそのものの性能に大きく依存するためです)。

    IDE インタフェースの欠点は、 その規格が定めた制限事項そのものです。 ほとんどの IDE アダプタは 2 つのデバイスしかサポートしておらず、 大抵長い期間を経て設計されたものではありません。 たとえば元来の IDE インタフェースは、 多くの人々にアップグレードを強いた 1024 シリンダ以上のハードディスクをサポートしていません。 もし ZIP ドライブの他のディスクドライブやテープドライブ、 スキャナーなどといった装置を PC に追加することを計画しているなら、 将来起こるであろう問題を回避するためにも、 SCSI ホストアダプタと SCSI 接続用 ZIP ドライブに投資した方がよいかも知れません。

    FreeBSDにおいて、IDEデバイスの先頭文字は a です。 たとえば、IDEのハードディスクドライブは /dev/ad0 で、IDE (ATAPI) のCD-ROMドライブは /dev/acd1 といった具合です。

  3. パラレルポートインタフェースは、 実際に多くのコンピューターが標準パラレルポートを備えているため (普段はプリンタ接続に使われます) ZIP ドライブやスキャナといった、 ポータブルな外付けデバイスの接続においてポピュラーなインタフェイスです。 そのため ZIP ドライブを持ち運んで、 簡単にコンピュータ間のファイルのやりとりすることができます。

    一般に、パラレルポート接続の ZIP ドライブはパラレルポートの速度によって転送速度が制限されるため、 SCSI や IDE で接続された場合より低速です。 パラレルポートの速度はコンピュータによって非常にまちまちで、 また BIOS から設定することもできます。 また双方向通信を使用可能にするために BIOS の設定が必要となるマシンもあります (パラレルポートは元来、 プリンタへの出力のみを目的に設計されたものです)。