21.5. Diskless operation

原作: Martin Renters

訳: 鈴木 康修

netboot.com/netboot.rom によって、 ディスクのないクライアントでネットワーク経由で FreeBSD マシンのブートを行い FreeBSD を走らせることができます。 2.0 ではローカルなスワップを持つことができます。 NFS 経由のスワッピングもサポートされています。

サポートされているイーサネットカード: Western Digital/SMC 8003, 8013, 8216 とその互換ボード, NE1000/NE2000 とその互換カード (再コンパイルが必要)

21.5.1. セットアップの手順

  1. サーバにするマシンを見つけます。 このマシンには、 FreeBSD 2.0のバイナリとbootpを 記憶するだけの十分なディスクスペースが必要です。 tftp と NFS も使えます。 テストしたマシン:

    • HP9000/8xx / HP-UX 9.04以降 (9.04以前では動きません)

    • Sun/Solaris 2.3. (bootpが必要)

  2. クライアントにIP、gateway、netmaskを提供する bootpサーバをセットアップします。

    diskless:\
            :ht=ether:\
            :ha=0000c01f848a:\
            :sm=255.255.255.0:\
            :hn:\
            :ds=192.1.2.3:\
            :ip=192.1.2.4:\
            :gw=192.1.2.5:\
            :vm=rfc1048:
    
  3. クライアントにブート情報を提供する TFTP サーバを (bootp サーバと同じマシンに) セットアップします。 このファイルの名前は、 cfg.X.X.X.X (もしくは /tftpboot/cfg.X.X.X.X )で、 ここで X.X.X.X はクライアントの IP アドレスです。 このファイルの内容は netboot コマンドで有効です。 2.0では、 netboot は以下のようなコマンドを持ちます:

    help helpリストの表示
    ip X.X.X.X クライアントのIPアドレスの表示/セット
    server X.X.X.X bootp/tftp サーバのアドレスの表示/セット
    netmask X.X.X.X netmaskの表示/セット
    hostname name hostnameの表示/セット
    kernel name カーネル名の表示/セット
    rootfs ip:/fs root ファイルシステムの表示/セット
    swapfs ip:/fs swap ファイルシステムの表示/セット
    swapsize size diskless swapsize を KBytes単位でセット
    diskboot ディスクからのブート
    autoboot ブートプロセスの続行
    trans on|off トランシーバのオン|オフ
    flags bc dh sv ブートフラグの設定

    完全にディスクレスな場合の一般的な cfg ファイルは以下のようになります:

    rootfs 192.1.2.3:/rootfs/myclient
    swapfs 192.1.2.3:/swapfs
    swapsize 20000
    hostname myclient.mydomain
    

    ローカルに swap を持つマシンについては以下のようになります:

    rootfs 192.1.2.3:/rootfs/myclient
    hostname myclient.mydomain
    
  4. NFS サーバがクライアントにroot(必要ならswapも) ファイルシステムをexportしているか、 また、 クライアントがこれらのファイルシステムに ルートアクセスできるか確認します。 FreeBSDにおける一般的な /etc/exports ファイルは 以下のようになります:

    /rootfs/myclient -maproot=0:0 myclient.mydomain
    /swapfs -maproot=0:0 myclient.mydomain
    

    そして、 HP-UX側では以下のようになります:

    /rootfs/myclient -root=myclient.mydomain
    /swapfs -root=myclient.mydomain
    
  5. NFS経由でスワッピングを行う場合 (完全にディスクレスな場合の設定)、 クライアントが使用する swap ファイルを dd で作成します。 もし、 swapfs コマンドが上記の例のように 引数 /swapfsを持ちそのサイズが 20000 である場合、 myclientに対するスワップファイルは /swapfs/swap.X.X.X.X で呼び出されます。 ここで X.X.X.X はクライアントの IP アドレスです。 例:

    # dd if=/dev/zero of=/swapfs/swap.192.1.2.4 bs=1k count=20000
    

    また、 スワッピングが開始されるとクライアントの スワップスペースはセンシティブな情報を含むようになるので、 不正なアクセスを防止するため、 このファイルへの 読み書きのアクセス制限がなされていることを確認して下さい:

    # chmod 0600 /swapfs/swap.192.1.2.4
    
  6. クライアントがそれぞれのrootファイルシステムとして使う ディレクトリにrootファイルシステムを展開します (上記の例では/rootfs/myclient)。

    • HP-UX システム: サーバはHP9000/800 シリーズのマシンで、 HP-UX 9.04 以降が必要です。 これ以前のバージョンでは NFS を経由するデバイスファイルが作成ができません。

    • /rootfs/myclient/dev を 展開する際に、 いくつかのシステム (HPUX) では FreeBSD に合った デバイスファイルが作成されないので 注意してください。 その際には最初の起動時にシングルユーザモードに 移行して (ブートの段階でCtrl-Cを押す)、 /dev に移って sh ./MAKEDEV all として、 クライアントからこれを 修正してください。

  7. クライアントで netboot.com を実行するか、 netboot.rom ファイルから EPROMを作成します。

21.5.2. / および /usr ファイルシステムを共有して使用する

今のところ、 これを行う公式に認められた方法はありませんが、 私はそれぞれのクライアントで /usr ファイルシステムと個々の / ファイルシステムを共有して使っています。 どなたかこれをきちんと行うやり方の提案がありましたら、 私に、 もしくは FreeBSD core team グループに知らせてください。

21.5.3. 特定の設定についてnetbootをコンパイルする

/sys/i386/boot/netboot/Makefile の中の設定を変更して コンパイルすることで、 netbootでNE1000/2000 カードをサポートします。 このファイルの先頭にあるコメントを見てください。