Chapter 10. Linux バイナリ互換機能

Table of Contents
10.1. この章では
10.2. インストール
10.3. Mathematica のインストール
10.4. Oracle のインストール
10.5. 高度なトピックス

オリジナルは Brian N. Handy と Rich Murphey によるものですが、 Jim Mock が 2000 年 3 月 22 日に再構成と一部の更新を行ないました。

訳: はらだ きろう 、1996 年 9 月 24 日

10.1. この章では

この章では FreeBSD における Linux バイナリとの互換機能について、 インストール方法やその仕組みを解説します。

現時点では、一体なぜ FreeBSD が Linux バイナリを実行できるようにならなければならないのか自問しているのではないでしょうか? 答えはきわめて簡単です。 Linux は現在コンピュータの世界では最も“ホットなモノ”なのでたくさんの会社や開発者たちが Linux のためだけに開発を行なっています。そのため、残された私たち FreeBSD ユーザは彼らに対して FreeBSD ネイティブなアプリケーションも出すように言うしかないのです。 問題は、FreeBSD バージョンも出した場合にどれくらいの数のユーザーが使うのかわからない、 ということであり、そのため Linux 版のみを開発しているということなのです。 そこで FreeBSD では Linux バイナリ互換機能が役に立つのです。

簡単に言ってしまえば、この機能により全ての Linux アプリケーションの 90% が修正なしに FreeBSD 上で起動できます。 この中には Star Office や Linux 版の Netscape、Adobe Acrobat、RealPlayer 5 と 7、 VMWare、Oracle、WordPerfect、Doom、Quake などがあります。 また、ある状況においては Linux バイナリを Linux で動かすよりも FreeBSD で動かすほうが良いパフォーマンスが出るという報告もあります。

しかしながら、いくつかの Linux に特有な OS の機能は FreeBSD ではサポートされていません。 例えば、Linux の /proc ファイルシステムを過度に使うような Linux バイナリは FreeBSD では動きません (FreeBSD の /proc ファイルシステムとは異なるのです) し、 仮想 8086 モードを有効にするような i386 特有の呼び出しも動きません。

Linux バイナリ互換モードのインストールに関しては次のセクションをご覧ください。