4.4. packages システムの利用

寄稿: Chern Lee.

FreeBSD には packages を管理するツールが複数あります。

4.4.1. package のインストール

pkg_add(1) は、ローカルファイルやネットワーク上のサーバから FreeBSD ソフトウェア package を インストールするためのユーティリティです。

Example 4-1. 手動で package をダウンロードしてローカルからインストールする

# ftp -a ftp2.FreeBSD.org
Connected to ftp2.FreeBSD.org.
220 ftp2.FreeBSD.org FTP server (Version 6.00LS) ready.
331 Guest login ok, send your email address as password.
230-
230-     This machine is in Vienna, VA, USA, hosted by Verio.
230-         Questions? E-mail freebsd@vienna.verio.net.
230-
230-
230 Guest login ok, access restrictions apply.
Remote system type is UNIX.
Using binary mode to transfer files.
ftp> cd /pub/FreeBSD/ports/packages/sysutils/
250 CWD command successful.
ftp> get lsof-4.56.4.tgz
local: lsof-4.56.4.tgz remote: lsof-4.56.4.tgz
200 PORT command successful.
150 Opening BINARY mode data connection for 'lsof-4.56.4.tgz' (92375 bytes).
100% |**************************************************| 92375       00:00 ETA
226 Transfer complete.
92375 bytes received in 5.60 seconds (16.11 KB/s)
ftp> exit
# pkg_add lsof-4.56.4.tgz

(FreeBSD CD-ROM セットのような) ローカルな packages がない場合は、 pkg_add(1)-r オプションをつける方が楽でしょう。 このユーティリティは、このオプションを指定して実行すると 自動的に適切なオブジェクトの形式とリリースを判断し、 package を FTP サイトからダウンロードしてインストールします。

# pkg_add -r lsof

上の例では適当な package がダウンロードされた後、インストールされます。 ユーザはこのほかに何もする必要はありません。 メインの配布サイトではなく FreeBSD Package ミラーサイトの package を使うには、 PACKAGESITE 環境変数に利用したいサイトを設定してください。 pkg_add(1) は、FTP_PASSIVE_MODE, FTP_PROXY, FTP_PASSWORD といった環境変数を参照する fetch(3) を用いてファイルをダウンロードします。 ファイアウォールの内側であったり、 FTP/HTTP プロキシを使う場合には、 これらの環境変数を設定することになります。 環境変数の一覧については fetch(3) をご覧ください。 また、上の例で lsof-4.56.4 の代わりに lsof を使っていることに注意してください。 リモートフェッチ機能を使用する場合には、 package のバージョン番号を取り除かなければなりません。 pkg_add(1) は自動的に最新版のアプリケーションを取得します。

Note: FreeBSD-CURRENT または、FreeBSD-STABLE を使用している場合、 pkg_add(1) は最新版のアプリケーションをダウンロードします。 -RELEASE を使用している場合には、 そのバージョンのリリース時にビルドされた package がダウンロードされます。 この設定は PACKAGESITE を上書きすることで変更できます。 たとえば、FreeBSD 5.4-RELEASE を使用している場合には、 pkg_add(1) を実行するとデフォルトで ftp://ftp.freebsd.org/pub/FreeBSD/ports/i386/packages-5.4-release/Latest/ から packages をダウンロードします。 もし、pkg_add(1) を使って FreeBSD 5-STABLE の packages をダウンロードしたければ、 PACKAGESITE 環境変数を ftp://ftp.freebsd.org/pub/FreeBSD/ports/i386/packages-5-stable/Latest/ に設定してください。

package は .tgz.tbz という拡張子を持つファイルとして配布されており、 ftp://ftp.FreeBSD.org/pub/FreeBSD/ports/packages/ や FreeBSD CD-ROM にあります。 FreeBSD 4-CD セット (または PowerPak など) の CD はすべて、 /packages ディレクトリに packages が あります。packages のレイアウトは、 /usr/ports ツリーのものと同様です。 カテゴリごとにディレクトリがあり、 All ディレクトリにはすべての package があります。

package システムのディレクトリ構造は ports のレイアウトと同一です。 両者が組み合わさって package/port システムが構成されます。

4.4.2. packages の管理

pkg_info(1) は、インストールされている packages の一覧と説明を表示するユーティリティです。

# pkg_info
cvsup-16.1          A general network file distribution system optimized for CV
docbook-1.2         Meta-port for the different versions of the DocBook DTD
...

pkg_version(1) は、インストールされている packages のバージョンを要約して表示するユーティリティです。 package のバージョンを、現在の ports ツリーのバージョンと 比較します。

# pkg_version
cvsup                       =
docbook                     =
...

2 列目の記号は、インストールされているバージョンの ローカル ports ツリーのバージョンに対する 新旧を表します。

記号 意味
= インストールされている package のバージョンは、 ローカル ports ツリーのものと一致しています。
< インストールされているバージョンは、 ローカル ports ツリーのものより古いです。
> インストールされているバージョンは、 ローカル ports ツリーのものより新しいです (おそらくローカル ports ツリーは古くなっています)。
? インストールされた package を ports インデックスの中に見つけることができません (インストールされた port が Ports Collection から削除されたり、 名前が変更された場合などに起こります)。
* 複数のバージョンの package が存在します。
! インストールされた package はインデックス中に存在しますが、何らかの理由で、 インストールされた package のバージョン番号をインデックス中のエントリと比較できません。

4.4.3. package の削除

インストールされている package を削除するには、 pkg_delete(1) ユーティリティを使ってください。

# pkg_delete xchat-1.7.1

pkg_delete(1) は package 名とバージョン番号の両方を必要とします。 すなわち、先ほどの例において xchat-1.7.1xchat とした場合には動作しません。 インストールされている package のバージョンは、 pkg_version(1) を使うと簡単に調べることができます。 バージョン番号のかわりにワイルドカードも使えます。

# pkg_delete xchat\*

上の例では、名前が xchat で始まるすべての packages が削除されます。

4.4.4. その他

package に関するすべての情報は /var/db/pkg ディレクトリ以下に置かれています。 このディレクトリの下にあるファイルの中に、 インストールされたファイルの一覧やインストールされた各 package についての説明が含まれています。