その port の変数 (たとえば解像度とか紙のサイズなど) を 変えたりした, 少しだけ違うバージョンを作成する必要があるときには, ユーザが分りやすいように package ごとに別々のサブディレクトリを作成し, できるだけ port 間でファイルを共有するようにしてください. ほとんどの場合, うまく変数を使えば, 一つを除くすべてのディレクトリには とても短い Makefile を置くだけで済みます. その短い Makefile では, MASTERDIR を使って, 残りのファイルがあるディレクトリを指定できます. また, PKGNAMESUFFIX の 一部に変数に使って, package が別々の名前を持つようにしてください.
具体的な例を示すのが一番わかりやすいでしょう. これは japanese/xdvi300/Makefile の一部です.
PORTNAME= xdvi PORTVERSION= 17 PKGNAMEPREFIX= ja- PKGNAMESUFFIX= ${RESOLUTION} : # default RESOLUTION?= 300 .if ${RESOLUTION} != 118 && ${RESOLUTION} != 240 && \ ${RESOLUTION} != 300 && ${RESOLUTION} != 400 @${ECHO} "Error: invalid value for RESOLUTION: \"${RESOLUTION}\"" @${ECHO} "Possible values are: 118, 240, 300 (default) and 400." @${FALSE} .endif
japanese/xdvi300 には Makefile の他に通常のパッチや, package ファイル等が置かれています. このディレクトリで make を実行すると, デフォルトの解像度 (300) を使って, 普通に port のビルドを行ないます.
他の解像度に関していうと, xdvi118/Makefile に 必要なのはこれだけです:
RESOLUTION= 118 MASTERDIR= ${.CURDIR}/../xdvi300 .include ${MASTERDIR}/Makefile
(xdvi240/Makefile や xdvi400/Makefile も同様のものになります). bsd.port.mk は, MASTERDIR の定義から FILESDIR や SCRIPTDIR 等の 通常のサブディレクトリが xdvi300 以下に 存在することを理解します. RESOLUTION=118 の行が, xdvi300/Makefile の RESOLUTION=300 の行を上書きし, port は解像度を 118 として作成されます.