6.3. 生産的なアプリケーション

生産的なアプリケーションということになると、 新しいユーザはしばしば魅力的なオフィススイートや 親しみのあるワードプロセッサを求めるでしょう。 デフォルトアプリケーションではありませんが、 KDE のような デスクトップ環境 はオフィススイートを提供しています。 FreeBSD は、デスクトップ環境にかかわらず 必要なものはすべて提供しています。

この節では次のアプリケーションについて説明します。

アプリケーション名 必要なリソース port からのインストール 実行に必要となる主な環境
KOffice KDE
AbiWord Gtk+ または GNOME
Gimp Gtk+
OpenOffice.org 莫大 JDK™ 1.4, Mozilla

6.3.1. KOffice

KDE コミュニティはデスクトップ環境とともに、 KDE 環境以外でも利用可能な オフィススイートを提供しています。 このオフィススイートには、他のオフィススイートと同様に、 4 つの標準的なアプリケーションが含まれています。 KWord はワードプロセッサ、 KSpread は表計算ソフトウェア、 KPresenter はプレゼンテーションソフトウェア、そして Kontour は図形描画ソフトウェアです。

最新の KOffice をインストールする場合には、事前に KDE を最新のバージョンにしておいてください。

KOffice を package からインストールするには次のようにします。

# pkg_add -r koffice

package を入手できない場合でも Ports Collection を利用できます。 たとえば、KDE3KOffice をインストールするには次のようにします。

# cd /usr/ports/editors/koffice-kde3
# make install clean

6.3.2. AbiWord

AbiWord は、Microsoft® Word のような見た目や操作感を持つフリーのワードプロセッサです。 書類や手紙、報告書、メモなどを書くのに適しています。 非常に速く、多くの特徴があり、非常にユーザフレンドリです。

AbiWord は、 Microsoft .doc のような独自仕様を含む多くの形式のファイルを読み書きできます。

次のようにして AbiWord を package からインストールできます。

# pkg_add -r abiword

package を入手できない場合でも Ports Collection を利用できます。 おそらく Ports Collection の方が新しいでしょう。 次のようにしてインストールします。

# cd /usr/ports/editors/abiword
# make install clean

6.3.3. GIMP

画像を描画したり写真を修正することに関して、 GIMP はとても洗練された編集プログラムです。 単純にお絵かきソフトウェアとして使うこともできますし、 高品質な写真の加工ツールとしても使えます。 多くのプラグインに対応しており、 スクリプトインタフェースを特徴としています。 GIMP はさまざまな形式のファイルを読み書きでき、 スキャナやタブレットとのインタフェースにも対応しています。

次のコマンドにより package をインストールできます。

# pkg_add -r gimp

利用している FTP サイトにこの package がない場合でも、 Ports Collection からインストールできます。 Ports Collection の graphics ディレクトリには Gimp マニュアルもあります。 インストールする方法は次のとおりです。

# cd /usr/ports/graphics/gimp
# make install clean
# cd /usr/ports/graphics/gimp-manual-pdf
# make install clean

Note: Ports Collection の graphics ディレクトリには GIMP の開発版である graphics/gimp-devel があります。 Gimp マニュアル の HTML バージョンは graphics/gimp-manual-html にあります。

6.3.4. OpenOffice.org

OpenOffice.org は、完全なオフィススイートに必須のアプリケーション (ワードプロセッサ、表計算ソフトウェア、 プレゼンテーションソフトウェア、そして図形描画ソフトウェア) をひととおり揃えています。 ユーザインタフェースは他のオフィススイートと似ており、 広く用いられているさまざまな形式のファイルを読み書きできます。 インタフェース、スペルチェッカ、辞書は国際化されており、 多くの言語で利用できます。

OpenOffice.org のワードプロセッサは、ネイティブのファイル形式に XML を採用することで ポータビリティや柔軟性を高めています。 表計算ソフトウェアにはマクロ機能があり、 外部データベースと接続することもできます。 OpenOffice.org は、すでに Windows®, Solaris™, Linux, FreeBSD, Mac OS® X において安定してネイティブに動作しています。 OpenOffice.org についての詳しい情報は、 OpenOffice.org web サイト をご覧ください。また、 FreeBSD OpenOffice.org プロジェクトチーム の Web サイトから、FreeBSD 特有の情報や packages を直接取得することもできます。

OpenOffice.org をインストールするには次のようにします。

# pkg_add -r openoffice.org

Note: FreeBSD のリリース版を使用している場合、この操作は動作します。 それ以外の版を使用している場合、FreeBSD OpenOffice.org Porting Team の web サイトから適切なパッケージをダウンロードして、 pkg_add(1) を使用してインストールしてください。 ここからはリリース版と開発版の両方がダウンロードできます。

package をインストールしたら、以下のコマンドを入力するだけで OpenOffice.org が起動します。

% openoffice.org

Note: 初回起動時に、いくつかの質問が表示され、 ホームディレクトリに .openoffice.org2 フォルダが作成されます。

OpenOffice.org の packages が利用できない場合でも、port を利用する方法があります。 しかしながら、コンパイルするには大きなディスクスペースと 本当にかなり長い時間を必要とすることを心に留めておかなければなりません。

# cd /usr/ports/editors/openoffice.org-2
 # make install clean

Note: 地域化されたバージョンをビルドしたいのなら、 上記コマンドの代わりに以下のコマンドを実行して下さい。

# make LOCALIZED_LANG=your_language install clean

your_language を正しい言語 ISO コードに置き換えてください。 サポートされている言語コードは、同じ port ディレクトリにある files/Makefile.localized ファイルに書かれています。

インストールが終わったら、以下のコマンドで OpenOffice.org を起動することができます。

% openoffice.org