16.5. FreeBSD を特定の言語に地域化する

16.5.1. ロシア語 (KOI8-R エンコーディング)

原作: Andrey Chernov.

KOI8-R エンコーディングの詳細については、 KOI8-R References (Russian Net Character Set) を参照してください。

16.5.1.1. ロケールの設定

以下の行を ~/.login_conf に追加してください。

me:My Account:\
    :charset=KOI8-R:\
    :lang=ru_RU.KOI8-R:

ロケール を 設定する際の例については、この章の前の方を参照してください。

16.5.1.2. コンソールの設定

  • FreeBSD 5.0 より前のバージョンの場合は、 次の行をカーネルコンフィグファイルに追加します。

    options        SC_MOUSE_CHAR=0x03
    

    FreeBSD 4.4 以降のバージョンの場合は、 /etc/rc.conf に次の行を追加します。

    mousechar_start=3
    
  • /etc/rc.conf で以下のように 設定してください。

    keymap="ru.koi8-r"
    scrnmap="koi8-r2cp866"
    font8x16="cp866b-8x16"
    font8x14="cp866-8x14"
    font8x8="cp866-8x8"
    
  • /etc/ttys の各 ttyv* エントリにおいて、 端末タイプとして cons25r を指定してください。

コンソールを設定する際の例については、この章の前の方を参照してください。

16.5.1.3. プリンタの設定

ロシア語用の文字を搭載したプリンタはほとんど ハードウェアコードページ CP866 を使っているため、 KOI8-R を CP866 に変換する専用の出力フィルタが必要となります。 このフィルタはデフォルトで /usr/libexec/lpr/ru/koi2alt に インストールされています。 ロシア語用のプリンタの /etc/printcap エントリは以下のようになります。

lp|Russian local line printer:\
    :sh:of=/usr/libexec/lpr/ru/koi2alt:\
    :lp=/dev/lpt0:sd=/var/spool/output/lpd:lf=/var/log/lpd-errs:

記述の詳細については printcap(5) を参照してください。

16.5.1.4. MS-DOS® ファイルシステムとロシア語ファイル名

以下の fstab(5) エントリの例は、マウントされた MS-DOS® ファイルシステムにおいてロシア語ファイル名を 使えるようにします。

/dev/ad0s2      /dos/c  msdos   rw,-Wkoi2dos,-Lru_RU.KOI8-R 0 0

-L オプションは利用するロケール名を選択し、 -W オプションは文字変換表を設定します。 -W オプションを使う時は、変換表が /usr/libdata/msdosfs にあるので、 /usrMS-DOS パーティションより前に マウントするようにしてください。詳しくは、 mount_msdos(8) のマニュアルを参照してください。

16.5.1.5. X11 の設定

  1. まず X 以外のロケールの設定を行ってください。

    Note: ロシア語の KOI8-R ロケールは古い XFree86 のリリース (3.3 より前) では動作しないかもしれません。 現在は Xorg が FreeBSD の デフォルトの X Window System です。 これは古いバージョンの FreeBSD を使っていない限り 起こり得ないことです。

  2. Xorg を使っているなら、 x11-fonts/xorg-fonts-cyrillic パッケージをインストールしてください。

    /etc/X11/xorg.conf ファイルの "Files" セクションをチェックしてください。 既存の FontPath エントリの前に以下の行を追加しなければなりません。

    FontPath   "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/cyrillic/misc"
    FontPath   "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/cyrillic/75dpi"
    FontPath   "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/cyrillic/100dpi"
    

    もし高解像度のビデオモードを使っている場合には、 75 dpi と 100 dpi の行を入れ替えてください。

  3. ロシア語のキーボードを使えるようにするには、 以下の行を XF86Config ファイルの "Keyboard" セクションに追加します。

    XFree86 3.X の場合:

    Option "XkbLayout"   "us,ru"
    Option "XkbOptions"  "grp:toggle"
    

    Xorg (または XFree86 4.X) の場合:

    Option "XkbLayout"   "ru"
    Option "XkbOptions"  "grp:caps_toggle"
    

    また、XkbDisable が無効 (コメントアウト) になっていることを確認してください。

    grp:caps_toggle については、ロシア語/ラテン文字の切り替えは CapsLock で行います。 従来の CapsLock の機能は Shift+CapsLock で使うことができます (ラテン文字モードの時のみ)。 grp:toggle については、ロシア語/ラテン文字の切り替えは Right Alt で行います。 Xorg では、理由は不明ですが grp:caps_toggle は動作しません。

    キーボードに “Windows®” キーがあり、 ロシア語モードでそのキーにいくつかの非英字キーが 割り当てられているようなら、XF86Config ファイルに以下の行を追加してください。

    XFree86 3.X の場合:

    XkbVariant "winkeys"
    

    Xorg (または XFree86 4.X) の場合:

    Option "XkbVariant" ",winkeys"
    

    Note: ロシア語の XKB キーボードは古いバージョンの XFree86 ではうまく動かないかも知れません。 詳しくは前述の 注釈を参照してください。 ロシア語の XKB キーボードは、 地域化されていないアプリケーションでもうまく動かないかも知れません。

Note: 地域化がされたアプリケーションは少なくともプログラムの最初の方で XtSetLanguageProc (NULL, NULL, NULL); を呼び出すべきです。 X11 アプリケーションを地域化する方法については、 KOI8-R for X Window を参照してください。

16.5.2. 台湾向けの繁体字中国語への地域化

FreeBSD-Taiwan プロジェクトは、多くの 中国語 ports を利用した、 FreeBSD を中国語化するための手引き http://netlab.cse.yzu.edu.tw/~statue/freebsd/zh-tut/ を提供しています。 FreeBSD Chinese HOWTO の現在の編集者は Shen Chuan-Hsing です。

Chuan-Hsing Shen は FreeBSD-Taiwan の zh-L10N-tut を使って Chinese FreeBSD Collection (CFC) を作成しました。 パッケージとスクリプトは ftp://freebsd.csie.nctu.edu.tw/pub/taiwan/CFC/ から入手できます。

16.5.3. ドイツ語への地域化 (すべての ISO 8859-1 言語向け)

Slaven Rezic は FreeBSD マシン上でウムラウトを使うためのチュートリアルを書きました。 チュートリアルはドイツ語で書かれており、 http://www.de.FreeBSD.org/de/umlaute/ から入手できます。

16.5.4. 日本語/韓国語への地域化

日本語に関しては http://www.jp.FreeBSD.org/ を、韓国語に関しては http://www.kr.FreeBSD.org/ を参照してください。

16.5.5. 英語以外の FreeBSD ドキュメント

FreeBSD の一部を他の言語に翻訳してくれている人たちがいます。 これらは メインサイトのリンクを辿るか /usr/share/doc から入手できます。