13.2. スーパーユーザアカウント

スーパーユーザアカウントは通常 root と呼ばれ、初期時から設定済みです。 このアカウントはシステム管理を行なうためのもので、 メールのやりとり、システムの調査、 プログラミングといった日常的な作業を行なうために使われるべきものではありません。

その理由は、スーパーユーザが通常のユーザアカウントと異なり、 操作にまったく制限を受けないことによります。 そのためスーパーユーザアカウントで操作を間違えると、 システムに重大な影響を与えてしまう恐れがあるのです。 ユーザアカウントでは、仮に操作を間違えてもシステムを壊してしまうようなことは できないようになっています。したがって特権を必要としていないのであれば、 できるだけいつもユーザアカウントを利用する方が望ましいと言えるでしょう。

また、スーパーユーザで実行するコマンドはいつでも、 二回、三回と何度もコマンドをチェックしてください。 なぜならスペースが多かったり、文字が欠けていたりするだけで、 取り返しのつかないデータの破壊につながる可能性があるからです。 スーパーユーザになると得られる特権は、 言い換えてみれば通常のユーザアカウントの保護を受けることができない、 ということも意味しています。

ですから、この章を読んでからあなたが最初にすべきなのは、 もし用意していないなら、日常的に利用するための あなた自身のユーザアカウントを作成することです。 これはマルチユーザモード、シングルユーザモードを問わず、 同様にあてはまります。 この章のうしろの方では、アカウントの追加と通常のユーザから スーパーユーザへと移行する手順について扱います。